産業施設用総炭化水素(THC)低減システム
光触媒浄化システム 光化学反応を利用して有害物質および有機物を分解する方式
浄化施設の問題を解決するため、新しい環境配慮型の浄化システムを開発しました。
消耗性素材を使用せず、半永久的に使用可能な特殊構造モジュールを開発・最適化しました。輸入に依存していた素材を国産化することでコストを削減し、環境に優しい空気浄化システムを構築しました。
総炭化水素(Total Hydrocarbons, THC)とは
- 総炭化水素(Total Hydrocarbons, THC)は、大気中における炭化水素化合物(Hydrocarbons)の総量を意味し、炭素と水素で結合した揮発性有機化合物(VOCs)を含むすべての有機化合物を指します。これらは主に自動車や塗装産業、印刷産業、石油貯蔵出荷施設、洗濯施設、道路舗装(アスファルト)などから排出されます。炭化水素はさまざまな形態の化合物として存在しますが、その多くは温室効果ガスとして気候変動に直接的に寄与します。
- 例えば、炭化水素の一つであるメタン(CH₄)は、二酸化炭素(CO₂)より約25倍も強力な温室効果ガスであり、大気中に少量存在するだけでも気候変動に大きな影響を与えます。 VOCは大気中で窒素酸化物(NOx)と反応し、地表オゾンを生成しますが、これも強力な温室効果ガスです。たがって、THCを削減することで、これらの二次汚染物質の生成も抑制され、温室効果ガスの排出を削減することにつながります。これは、カーボンニュートラルの達成に重要な役割を果たします。

揮発性有機化合物 (VOC : Volatile Organic Componuds)
- 炭化水素化合物であり、大気中の窒素酸化物(NOx)や他の化学物質と光化学反応を引き起こし、光化学酸化性物質を生成します。これにより光化学スモッグを引き起こすオゾン(O₃)が発生します
- 環境省の告示により、揮発性有機化合物37種類の物質が指定
- VOCの影響
- 発がん性などほとんどの物質が人体に有害
- オゾン層を破壊し地球温暖化を引き起こし
- 悪臭を発生させ
- 目に刺激を与え視界を低下させる光化学スモッグを形成し、大気中のSO₂を酸化させ酸性雨の原因となる
THC削減装置
化学製品製造業など、有機溶剤を多く使用する事業所では、THCが比較的高く測定されるため、THC削減装置を設置する必要があります。
THC排出許容基準は主に炭化水素とベンゼンに限定されていますが、スチレンやエチルベンゼンなどは個別の基準がなく、THCの総量として規制されています。
従来の活性炭フィルターの問題点

- 総炭化水素(THC)の除去効率は平均41.0%。
- 活性炭の交換周期に合わせた交換が不可能。
- 破損した状態の活性炭を使用して吸着塔を運転。
- 排ガス処理設備の維持管理が不安定。
- 主に活性炭を使用しており、吸着時間の増加に伴い吸着効率が低下するため、交換が必要。
- 活性炭は有効期限のある「消耗品」。
- 破損した活性炭による大気汚染(微細粉塵や炭素粒子の発生)。
- 廃活性炭のリサイクルのための設備およびシステムの構築が必要
⭢ 廃吸着剤として分類され、産業廃棄物が発生。 - 吸着された有害物質の除去時に二次有害物質が発生し、大気中に放出。
- 指定廃棄物処理業者への委託処理が必須。

活性炭の代替
先端Lab の光触媒浄化システム

- 総炭化水素(THC)の高い除去効率(91.6%)
- 光触媒スクリューフィルター、UVランプ、安定器で構成
- 光触媒フィルターの交換不要(半永久的使用可能)
- 防止施設の維持管理が容易
- ESG経営に適した環境配慮型技術
- 排ガス処理設備の維持管理が容易
- カーボンニュートラル達成に向けた産業温室効果ガス削減技術
- 触媒を利用した化学分解プロセスで、反応後に残留物質が発生しない
- 活性炭の代替として利用可能で、活性炭輸入の代替効果
- 高額な活性炭吸着塔に比べて、低コストな維持費と簡便な管理